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四方山話

とおかんやのわらでっぽう(十日夜の藁鉄砲)

長野県育ちですが、十日夜を知らなかった、高井優希です。

十日夜というのは、旧暦10月10日に行われる収穫祭。稲の刈取りが終わり、田の神が山に帰る日とされ、東北南部から甲信越にかけて行われる行事だそうです。

地域ごとに行事の内容には違いがあるのですが、「十日夜の藁鉄砲」は、長野県内では御代田町の一部などに残っているもので、「藁鉄砲で地面を叩く」ときの唱えごとです。

十日夜や藁鉄砲に関しては、今でも伝統的に行われている長野県御代田町のサイトで紹介されていますので、気になる方はご参照ください。

十日夜の藁鉄砲(とおかんやのわらでっぽう)|御代田ポータルサイトみよたうん

この歌を小学生の音楽会で歌った

こんな伝統的な行事で歌われている、言ってみれば(言葉悪いですが)マイナーな歌を、小学校時代に音楽会で歌うなんて、誰が想像したでしょうか!(笑)

当時のクラス担任が、もともと音楽の先生だったので、こういった曲にも精通していたのかもしれません。父兄や先生方には、ウケが良かったように記憶しています。

今でも記憶に残っている歌詞

曲としても、歌詞としても非常に珍しい感じだったためか、30年ほど経った今でも何となく覚えています。

歌詞

とおかんや とおかんや
とおかんやの わらでっぽう
ゆうめしくって ぶったたけ

とおかんや とおかんや
あさそばぎりに ひるだんご
ゆうもちくって ぶったたけ

1番と2番がこんな感じの歌詞で、3番と4番は、それぞれ1番と2番を輪唱っぽくしたものでした。輪唱で後追いになる方のパートは、歌う音程がちょっと違っていました。

歌詞の意味はこんな感じ。

歌詞の意味

十日夜 十日夜
十日夜の藁鉄砲
夕飯を食べて ぶっ叩け

十日夜 十日夜
朝食は蕎麦切り 昼食は団子
夕食は餅を食べて ぶっ叩け

蕎麦切りというのは、蕎麦粉を熱湯でこねて細長い麺状に切ったもので、一般的に「蕎麦」と呼ばれているものです。蕎麦粉を熱湯でこねて餅状にした食べ物「蕎麦掻き」と区別するために、「蕎麦切り」と呼ばれています。

伝統的な行事も少しずつ減っている

この十日夜に関しては、今では長野県内どころか、町のサイトで紹介されている御代田町でも知らないという方がほとんどだそうです。

十日夜以外でも、道祖神やどんど焼きなども姿を消してきているんだとか。もうちょっと身近で言えば、正月飾りの「しめ縄」を綯(ゆ)える人も減ってきていますね。

こういった行事は、受け継いでいく人がいなければ存続できなくなってしまいます。数年後、数十年後、昔話の中だけの話にならないようにしていきたいものです。

初稿:2019年2月11日

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