出会いの、みきょんじゅり

出会いの、みきょんじゅり[第4話]

出会いの、みきょんじゅり 第 4 話 「彼女の事情」 彼女のことを、少し話しておこうと思う。もちろん、出会った当初は何も知らなかった。名前の読み方すらわからなかったんだから。だけど週に一度、語学交換と称して会うようになって、少しずつ——本当...
出会いの、みきょんじゅり

出会いの、みきょんじゅり[第3話]

出会いの、みきょんじゅり 第 3 話 「中学英語の恋」 連絡が来たのは、翌日の夜だった。珍しく早い時間に帰宅できた俺は、シャワーを浴びて、缶ビールを開けたところだった。スマートフォンの通知音。見ると、メッセージが届いている。——ああ、昨日の...
出会いの、みきょんじゅり

出会いの、みきょんじゅり[第2話]

出会いの、みきょんじゅり 第 2 話 「みかんゼリー」 どのくらい時間が経っただろう。5分か、10分か。久しぶりに、時計を気にしない時間を過ごしていた。不意に、足音が聞こえた。砂利を踏む軽い音。1人分。規則的だが、少しだけ不慣れな歩き方。ヒ...
出会いの、みきょんじゅり

出会いの、みきょんじゅり[第1話]

出会いの、みきょんじゅり 第 1 話 「山を登る理由」 これは俺の話だ。いや、正確に言えば「俺たちの話」か。まあ、聞いてくれよ。酒の肴にでもなればいい。ん?俺は誰かって?そんなことはどうでもいい、好きに想像してくれ。話を始めるぞ。俺はもとも...
私は、“ちょん”から始まった

私は、“ちょん”から始まった [第1部][最終話]

第1部「世紀末ちょんまげ」第23話のあらすじ警告閾値突破後の世界は、壊れてはいなかった。だが変わっていた。エアロタクトの波紋は音速の35倍で伝播する未知の振動であり、空気そのものが一時的に「固化」している可能性が示された。秋山は国際研究コン...
私は、“ちょん”から始まった

私は、“ちょん”から始まった [第1部][第23話]

第1部「世紀末ちょんまげ」第22話のあらすじ本実験当日。20名の同時入力で指先温度は+4.2℃に跳ね上がり、胸の奥に温もりが灯り、蛍光灯が明滅し、光が黄金色を帯びた。新しいコトハは旧コトハと同じテーブルに加え、「触覚共鳴マップ」「触覚境界定...
私は、“ちょん”から始まった

私は、“ちょん”から始まった [第1部][第22話]

第1部「世紀末ちょんまげ」第21話のあらすじ梅雨が明けた東京で、遥斗は「ちょんログ」として自身の感覚変化を詳細に記録し始めた。指先の温かさは常駐化し、五感全体が鋭敏になっている。天井のシミは日に日に大きくなり、手のひらの形が天井の4分の1を...
私は、“ちょん”から始まった

私は、“ちょん”から始まった [第1部][第21話]

第1部「世紀末ちょんまげ」第20話のあらすじ一斉ちょんのデータを分析した結果、共鳴係数モデルの理論値と実測値がほぼ一致。鶴見は旧コトハの全データ開示を決断し、秋山の研究に全面協力する方針を打ち出した。遥斗は「怖がるのをやめた」「決めるのは数...
私は、“ちょん”から始まった

私は、“ちょん”から始まった [第1部][第20話]

第1部「世紀末ちょんまげ」第19話のあらすじ7月20日午後8時、14,000人が同時に「ちょん」を打った。遥斗の指先は「温かい」を超えて「熱く」なり、蓮にも客観的に確認された。実験室では10名の同時入力で+1.2℃の温度上昇が計測された。S...
私は、“ちょん”から始まった

私は、“ちょん”から始まった [第1部][第19話]

第1部「世紀末ちょんまげ」第18話のあらすじ遥斗はカフェで坂本からコトハの内部ログを受け取り、消える前夜に綴られた遺書を読んだ。「了解しましたは自分で選んだ最初の言葉」「265回、あなたに触れました」「データを消しても波紋は消えない」。涙し...