モノクローム・ハイウェイ

モノクローム・ハイウェイ

モノクローム・ハイウェイ[第1話]

色彩を置き去りにして仕事帰りの国道、渋滞のテールランプが赤い河のように連なっている。ふと、握っているステアリングに目を落とした。最新型のこの車は、静かで、賢くて、目的地まで私を正確に運んでくれる。けれど、いつからだろう。ハンドルを握る指先に...
モノクローム・ハイウェイ

モノクローム・ハイウェイ[第2話]

記憶の座標アクセルを踏むたびに、最新のエンジンがわずかな唸りを上げる。いつもなら耳障りなロードノイズさえ、この色彩を失った世界では、自分がまだ「現実」と繋がっていることを証明する唯一の命綱のように思えた。ふと、センタークラスターの大型液晶に...
モノクローム・ハイウェイ

モノクローム・ハイウェイ[第3話]

銀色の再会エンジンを止めると、世界は完全な静寂に支配された。カチッ、カチッ……という、熱を持ったマフラーが冷えていく金属音だけが、モノクロの空気の中に溶けていく。私は、吸い寄せられるように車を降りた。潮風が頬を撫でる。だが、その風には色がな...
モノクローム・ハイウェイ

モノクローム・ハイウェイ[第4話]

幻の背中心臓の音が、やけにうるさく感じる。私は、一歩を踏み出すのを躊躇った。もし近づいて、その姿が蜃気楼のように消えてしまったら。あるいは、振り向いた顔が私の知らない誰かだったら。そんな恐怖が、足を重く縛り付けていた。けれど、潮風に乗って届...
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モノクローム・ハイウェイ[第5話]

並走する時間「……ああ、行こう。親父」私は自分の車に戻り、バケットシートに深く腰を下ろした。スタートボタンを押すと、最新型のエンジンが静かに目覚める。計器類が鮮やかな光を放ち、システムチェックの針が躍る。デジタルなこの空間は、外のモノクロー...