ドライブ好きとして、とても興味を惹かれるキーワードに「酷道」「険道」があります。ただ、興味はあっても、なかなか自分で行ってみるほどの度胸も無ければ時間的余裕も無いので、YouTubeでいろんな方の走破投稿を観て楽しませていただく日々。
そんな「酷道・険道シリーズ」の中に、点線国道(分断国道)がある道として有名な「国道152号」があるのですが、なぜかこの道だけは「絶対この国道は走破してみたい」という思いがあったのです。
…そして、ある三連休の良く晴れた中日。
いつもより少し遅めの朝食を食べていたとき、なぜか急に「今日行ってみよう!」という話になり…家族全員で国道152号走破の旅に出ることにしました。
今回はあまり写真を撮らなかった(忘れていた)こともあって、ほとんどの行程をストリートビューとドラレコ映像の切り出しで…ほぼほぼ、自分用のドライブ記録です。
ざっくりもくじ
国道152号とは
説明できるほどちゃんと理解している訳ではないので、詳しくはWikiなどを参照していただくといいかと思いますが、国道152号は長野県上田市と静岡県浜松市をつなぐ国道です。
地図上で見てみると、上田市から浜松市まで、ほぼ真っすぐ南北に伸びた道路だということが分かります。
ただ、この国道は点線国道(分断国道)になっていて、車では通れない場所が2ヶ所あります。
ひとつめは、長野県下伊那郡大鹿村と長野県飯田市をつなぐ、地蔵峠(じぞうとうげ)。
蛇洞林道(じゃほらりんどう)という林道で迂回することになるようですが、この林道は崩落していて現在は通れないようなので、さらに別の道で迂回することになります。
ふたつめは、長野県飯田市と静岡県浜松市をつなぐ、青崩峠(あおくずれとうげ)。
兵越林道(ひょうごえりんどう)という林道で迂回することになりますが、青崩峠道路(国道474号三遠南信自動車道)を建設している最中で、いずれは青崩峠道路がバイパス的な感じになるようです。
国道152号始点から出発
朝食中に思いついたこともあって、国道152号の始点を通過したのは午前10時を過ぎた頃。
長野県上田市にある「大屋(おおや)」交差点が始点で、東西に伸びる国道18号と、北側から県道176号、南側から国道152号が接続する交点です。
ここから、しなの鉄道「大屋駅」の前を右折し、ひたすら道沿いに南下していきます。
大門街道
小県郡長和町「中山道落合追分(なかせんどうおちあいおいわけ)」から茅野市「茅野宿(ちのじゅく)」までの区間を、通称「大門街道(だいもんかいどう)」と呼ぶそうです。
中山道落合追分というのは、中山道の落合(合流点)と追分(分岐点)という意味だそうで、交差点の名称とは違うようです。同様に、茅野宿も交差点の名称ではなく、宿場と宿場の間にあり、旅人が休憩する間宿(あいのしゅく)があった場所。
小県郡長和町の中山道落合追分。右手に掛かる橋が落合橋で、中山道は右側、橋を渡った先へと続いていくようです。
正確な大門街道は国道152号に沿って行くのではなく、下記サイトのようなちょっと複雑なルートのようです。
この大門街道において、一番標高が高い所に大門峠があり、付近には観光地としても有名な白樺湖やファミリーランドがあります。紅葉シーズンの三連休中日ということもあってか、非常に賑わっていました。
大門峠を上り切ったところにある信号からは北佐久郡立科町、200mほど進んだ先のテディベア美術館とホテルパイプのけむりの間あたりで茅野市に入ります。
メルヘン街道
茅野市「湖東新井(こひがしあらい)」交差点からは国道299号との重複区間になり、茅野市「御座石神社(ございしじんじゃ)」交差点までの区間を、通称「メルヘン街道(めるへんかいどう)」と呼ぶそうです。
茅野市「湖東新井」交差点を右折すると、国道299号との重複区間となるメルヘン街道に入ります。
茅野市「御座石神社」交差点までがメルヘン街道だそうです。
トイレ休憩と昼食を兼ねて、メルヘン街道の途中にある「A・コープファーマーズ ピアみどり店」へ。パンや巻き寿司など、車内で食べられるものを購入し、駐車場の隅っこで昼食タイム。
ビーナスライン
茅野市「御座石神社」交差点から茅野市「あけぼの隧道(あけぼのずいどう)」交差点までの区間を、通称「ビーナスライン(びいなすらいん)」と呼ぶそうです。大門峠から美ヶ原高原までをつなぐビーナスラインとは別物…なのかな?
隧道というのはトンネルのことで、あけぼの隧道交差点の手前には、まさに「あけぼの隧道」と言う名前のトンネルがあります。
また、茅野市「あけぼの隧道」交差点を、今回の進行方向の逆側(リアカメラ)から見ると、ビーナスラインの開始点が見えます。
杖突街道~高遠スケッチ街道
茅野市「あけぼの隧道」交差点からしばらく進んで行くと、国道20号と中央自動車道が高架でまたがる茅野市「新井(あらい)」交差点へ。この交差点が国道299号の始点になっているので、重複区間はここで終わりです。
茅野市「新井」交差点を直進し、さらに道なりに進んでいくと、丁字路になっている茅野市「高部東(たかべひがし)」交差点へ。この交差点を左折して600mほど進んだ先の、茅野市「安国寺西(あんこくじにし)」交差点を右折し、「杖突峠(つえつきとうげ)」へ。
茅野市「安国寺西」交差点を右折した先から、杖突峠を超えるための道路一体を「杖突街道(つえつきかいどう)」と呼ぶようです。
この街道の頂上手前には展望喫茶「風の詩」があり、休憩ができるようになっています…が、駐車場が満車で空き待ちの車が何台かいたので、そのまま通過。
そして、風の詩を過ぎてすぐ、頂上付近で茅野市から伊那市に入ります。
伊那市に入ってからは、杖突街道ではなく「高遠スケッチ街道(たかとおすけっちかいどう)」という表記になっていました。これは茅野市側が杖突街道で、伊那市側が高遠スケッチ街道なのかな?
さらに、杖突街道は別名「石工街道(いしくかいどう)」とも言われるそうです。
高遠スケッチ街道は、的場ダムのあたりで別の道(下記写真の右の道)へと分岐していきます。
信州伊那アルプス街道
高遠スケッチ街道とお別れし、さらに道沿いに進んで行くと、左手に「花の丘ループ橋」、そして「高遠城址公園」が見えてきます。高遠城址公園と言えば、春はさくら祭り、秋はもみじ祭りで有名です。
高遠城址公園を過ぎた先にある、伊那市「小原(おばら)」交差点を左折。左折してすぐトンネルがあり、その先が「信州伊那アルプス街道(しんしゅういなあるぷすかいどう)」です。ここは「日本風景街道」のひとつでもあるようです。
この街道には道の駅「南アルプスむら長谷(みなみあるぷすむらはせ)」がありますので、トイレ休憩へ。
11月とは言え、気温20度を超える暖かい日だったこともあり、外のベンチではソフトクリームを食べる人たちでいっぱいでした。農産物の直売所やパン屋もあります。
道の駅を過ぎると、周囲の景色がだんだん山道へと変化していきます。
分杭峠
信州伊那アルプス街道を道なりに進んで行くと、「ゼロ磁場ホルモン」と書かれた看板のお店のあたりからセンターラインがなくなり、すれ違いも困難な道幅の狭い山道へ。
道路脇に「この先、分杭峠。大型車両(ホイールベース5m以上)通り抜けできません。」という看板が立っていましたが、この先の道の狭さを物語っています。
実際、途中で普通車とすれ違いましたが、結構ギリギリでした。
県道49号駒ヶ根長谷線との分岐点(交差点)を過ぎれば、もう一息。
さらに、細く曲がりくねった狭い道を進んで行くと、分杭峠(ぶんぐいとうげ)の頂上です。
この辺一帯は駐車場が無く、路肩などへの駐車も禁止されているので、マイカーで行くと通過するしかありません。路上駐車して看板を見たり写真を撮っている人たちがいましたが、ルールはルールなので我々はそのまま通過。
分杭峠の頂上付近を境に、伊那市から下伊那郡大鹿村に入ります。
下り方面(下伊那郡大鹿村側)は、鹿塩川という川沿いに細く狭い道を下って行きます。急坂もありますので、運転は慎重に。対向車が来たら譲り合いで。
左手に学校(大鹿村立大鹿中学校)が見えれば、次のポイントである大鹿村役場までもう少し。
村役場~磁場坂
鹿塩川沿いに分杭峠を下り、大鹿中学校を過ぎてから3km弱、直進方向にトンネルがある信号のない交差点が見えてきますので、国道152号は左折します。目印は、道の駅「歌舞伎の里大鹿(かぶきのさとおおしか)」は左折して1.6kmですよ~、という看板。
この交差点を左折すると、すぐ左手には大鹿村役場があり、しばらく進むと右手に道の駅「歌舞伎の里大鹿」が見えてきます。
さらに道なりに進むと、磁場坂と呼ばれるパワースポットへ。そして、この先の国道152号は、路肩崩壊のため通行止めになっていました。
しかも、新たに貼られたであろう「11月1日から全面通行止め」の紙。この日は11月3日だったため、惜しかったのか、助かったのか…。
別に貼られた「7年1月24日」というのは、工事完了が令和7年(2025年)の1月24日、ということなのかな。
もしここから先が通れたとしても、この先には点線国道の地蔵峠があり、その迂回路の蛇洞林道(秋葉古道・蛇洞沢併用林道)も崩落により通行止めになっているようなので、いずれにしても引き返すしか選択肢はないです。
そんな訳で、通れないものは仕方がないので、ここでUターンして、先ほどの道の駅「歌舞伎の里大鹿」でトイレ休憩へ。
歌舞伎の里大鹿~迂回路:国道153号へ
地蔵峠の迂回路である蛇洞林道が崩落していて、さらに蛇洞林道までの道路も崩落しているため、迂回路の迂回路として、松川町方面へ向かいます。
道の駅「歌舞伎の里大鹿」から大鹿村役場まで戻り、その先の交差点を左折し、県道59号松川インター大鹿線(通称:小渋線)を小渋川沿いに進みます。トンネルが多く、急カーブや道幅が狭い箇所も多いので、対向車には注意を。
目指すは、約13kmほど先にある上伊那郡中川村「渡場(どば)」交差点。
中川村「渡場」交差点を左折し、さらに道なりに進むと、上伊那郡松川町「上新井(かみあらい)」交差点で国道153号にぶつかりました。左折して、国道153号を進みます。
県道59号松川インター大鹿線から、途中で県道22号松川大鹿線を進んで行くルートもありますが、残念ながら松川大鹿線は通行止めでした。
この先、国道153号からは国道151号→国道418号を経て、国道152号に戻れるので、まずは国道151号を目指します。
迂回路:国道153号から国道151号へ
国道153号をひた走ると、リニア新幹線の工事中と思われる場所を発見。時間的に強烈な逆光になってしまったため、ドラレコ映像もかなり見にくいです。
さらに道なりに進んで行くと、飯田市「高屋(たかや)」交差点から片側2車線の飯田バイパスに入ります。
ここで失敗してしまったのですが、国道151号を目指すのであれば、この交差点を右折して国道153号の旧道に入るべきでした。旧道に進んでいれば、すぐ先にある飯田市「東鼎(ひがしかなえ)」交差点を左折し、国道151号(と国道256号の重複区間)に入れたのに…それに気付かず、我々はバイパスをひたすら進んでしまったのです。
バイパスを約4.5kmほど進んだ先、飯田市「上殿岡(かみとのおか)」交差点で左折し、県道444号運動公園通りへ。直前に出る青看板の「天龍峡方面」です。
県道444号運動公園通りをしばらく進み、飯田市「下中村(しもなかむら)」交差点を直進すると、道路は県道491号親田中村線に変わります。
さらに道なりに進んで行くと、信号のない交差点で県道234号田中乱橋線と合流します。我々はそのまま直進していきますが、この交差点で、県道491号親田中村線は左から来た県道234号田中乱橋線と駆け落ちして、一緒に右へ行ってしまいます。
名もなき道になってしまった道路をしばらく進んで行くと、ようやく国道151号へと合流できました。
迂回路:国道151号
国道151号に乗ったら、しばらく道なりに進みます。道幅が広いので安心。
この道を走っていくと、飯田市から下伊那郡下條村を経て、下伊那郡阿南町へと進みます。阿南町に入ったあたりから、国道151号は「祭り街道」と呼ばれるようです。下條村のあたりでは、道の駅「信濃路下條(しなのじしもじょう)」がありますが、今回は寄らずに通過です。
阿南町の街中を過ぎ、山に入ってループ橋のような道を越え、大村湖という湖を過ぎると、道の駅「信州新野千石平(しんしゅうにいのせんごくだいら)」があります。トイレ休憩へ。
迂回路:国道151号から…
道の駅「信州新野千石平」の少し手前、道の駅からだと少し戻る(北東方向へ行く)と、国道418号への交差点がありますので、そちらへ進むと国道152号へ戻れるのですが…我々はそれに気付かず、道の駅で休憩した後さらに国道151号を先(南西方向)へ進んでしまいました。
下記ストリートビューの場所を左折すると国道418号、直進すると右手に道の駅。
道の駅「信州新野千石平」の時点で17時。道を間違えたことに気付いたときには、既にあたりは真っ暗で、しかも愛知県新城市の手前あたりまで行っていたので、国道152号へ戻るのは時間的に諦めるしかない状況。
…ということで、我々の「国道152号を行けるところまで」は、結果的に磁場坂までで終わってしまいました。
その後は、そのまま国道151号を進み、道の駅「もっくる新城(もっくるしんしろ)」でトイレ休憩。
すぐ近くの新東名高速道路「新城I.C.」から高速道路に乗って、東海環状自動車道、中央自動車道を経て、帰宅しました。自宅に着いたのは、日付変更ギリギリくらい。
道を間違えたのでそのまま帰宅しましたが、道の駅「信州新野千石平」に着いた時間を考えると、もし国道418号から国道152号へ戻っていたら、とても日付変更前には自宅に帰れなかっただろうと思います。
さいごに
ということで、今回の国道152号を進む旅は、道半ばにして断念、という結果に終わりました。
特にルートを決めて走った訳ではなかったので、後からルートを確認してみたところ、国道153号から国道151号、国道418号を経由して国道152号に戻るルートは、かなり大回りだったことが分かりました。
地蔵峠だけを迂回するルートとしては、国道153号のバイパスに入る少し手前にあった、飯田市「座光寺(ざこうじ)」交差点を左折して県道251号上飯田線に入り、天竜川を渡ってから最初の信号、下伊那郡喬木村「阿島自動車学校前」交差点を右折。
次の信号、喬木村「新小川渡橋北」交差点を左折。
あとは県道251号上飯田線を道なりに進み、三遠南信自動車道(国道474号)の喬木I.C.へ。
喬木I.C.から、国道152号仮接続部までの約5kmの区間は、三遠南信自動車道がまだ全線開通していないためか、無料区間になっています。
このルートで国道152号に戻っていれば、青崩峠の迂回路である兵越林道を経て、静岡県浜松市まで行けたかもしれません。さらには、国道152号の終点も目指せたかも…。
ただ、もしこのルートで進んでいたとして、兵越林道を走る頃には真っ暗になっていたかもしれないので、道を間違えてしまったのがむしろ良かったのかもしれません。
国道152号を走破するには、春~夏くらいの日が長い時期に挑戦するか、今回のように秋に挑戦するなら朝7時くらいには始点を出発していないとダメそうです。
ちなみに、国道152号の終点は、静岡県浜松市にある「北島」という交差点。国道1号との交点だそうです。
終点まで行ってみたかったなー。そして、浜松市到達記念に、さわやかのハンバーグを久しぶりに食べたかったなー。また機会をつくって、挑戦してみたいと思います。
コロナ以降、久しぶりの長距離のお出掛けでした。